南ヨーロッパからヒマラヤを経て中国に至るまでの広い範囲に分布する落葉性の樹木で、樹高は4m〜5mになります。雄株と雌株がある雌雄異株(しゆういしゅ)の樹木です。
5月〜6月に径3mmほどの小さな淡緑色の花を穂状たくさん咲かせ、咲き進むと紫色を帯びます。花後、雌株は不稔花(タネを結ばない花)の軸部分(花柄)が長く伸びて羽毛のようになり、花穂の見た目がもふもふした感じなります。スモークツリーの名前は、この開花後の花穂が煙のように見えるところに由来します。和名のハグマノキ(白熊の木)は、その姿をハグマ(ヤクのしっぽの白毛)で作られた仏具の払子(ほっす)に見立てたものです。果実が風に乗ってより遠くに飛ばされるように、花柄が羽毛状に伸びるとも言われています。雄株は花穂がもふもふになりません。園芸で一般的に栽培されているのは、鑑賞価値の高い雌株です。
葉っぱは円形〜タマゴ型で、よく枝分かれして樹形は雑多な感じで丸くまとまります。樹皮からはタンニン、幹からは染料が採れます。