なぜか東北に魅せられて

〜第5話〜
東北は都から見ると「鬼門」に当たりその昔その住民は「鬼」扱いにされているというが東北人にとってはいい迷惑の話だ。
東北人というと格闘技要素の強い所だと思う。東北=「根性」耐える根性とでもいうのか陸上競技も長距離に向いている「粘り強いパワー」又、「相撲」「柔道」「ウエイトリフティング」等々・・・。
どうも東北人は無償の行為に自分を向かわせる事の出来る「おしん」に代表されるような「忍耐強い」人が多い。
精神風土にじっくり触れる(雨・風・雪)人間力より自然力の方が圧倒的に強い事を東北人はよく知っている。(我慢と共生)

若気の至りで吉幾三じゃあないけれど「テレビもねえ、ラジオもねえ、車もねえ・・・」と「俺ら東京さ行ぐだ」と何もない東北の田舎を思いきって出て、都会に来たはいいが愛する故郷、ふるさとを思い望郷の念にかわれるが「何もない所へ帰って何をするんだ」「世間、近所、仲間から笑われるのも嫌だ」仕方ない東京に骨を埋めるしかない。
常に故郷と都会を比較してそれぞれあるものと無いものがあると思うが・・・。

東北人がよく東京に出ていてそこに住んでいると東北の事など知らない顔をして真に都会人化してしまう。
東北を余りよく知らない都会の人間が別世界の風景として賛美した東北の姿にすぎない。ちょっとこれ問題で、東北人が東北をもっと描く必要がある。

私などいくら東北に長く滞在していても所詮東北人には成れず、東北の土着の人が東北をどう思っているか?

東北のキーワードは「飢餓」=病気、暗い、寒い、貧困、ひもじさ、心細い、おびやかされる不安・・・。
いつも限りぎりの所で成り立っている生活それだけ東北という所は風土として厳しい所だ。
だがこの厳しさゆえに大雪等に対応し、生活の知恵が蓄積されその意味での文化も発達した。

山水苑日記 | 2009.06.23 16:51
蔵王山水苑のホームへ
情報誌「やまぼうし」