宮城県白石市の弥治郎こけし村で2日、正月行事の「こけし初びき」があった。烏帽子(えぼし)、直垂(ひたたれ)姿の工人が今年最初の1本をひき、こけし神社として知られる小野宮惟喬(これたか)親王神社に奉納した。
弥治郎系工人の父の後を継いだ佐藤誠孝(せいこう)さん(75)=いわき市=が大役を務めた。家族や関係者ら約20人が見守る中、こけしを削り出し、慎重な手つきで表情や梅模様を描き入れた。
初びきは1967年から続く。佐藤さんは「こけし界の仕事始めであり、厳かな気持ちで臨んだ。多くの人に興味を持ってもらえるようなこけしを作っていきたい」と抱負を語った。