新型コロナウイルスの新規感染者の高止まりから、宮城県は25日、対策本部会議を県庁で開き、学校や企業を中心に対策強化を求める独自の「緊急特別要請」(1〜28日)を3月21日まで継続することを決めた。原則自粛としている学校の部活動は12日以降、一部緩和する。
県内の感染状況は、強い措置を検討する「レベル2+(プラス)」との判断を維持。緊急特別要請を始めた2月1日以降、1日の新規感染者は400人以上が続き、死者は18人に上る。クラスター(感染者集団)は46件発生し、うち17件が高齢者施設だった。
3連休最終日に設定
具体的な対策として(1)ワクチン3回目接種の加速(2)学校や保育、高齢者、障害者施設での感染対策の強化(3)テレワークの推進−に引き続き取り組む。昨年、東日本大震災10年の節目による人の流れの増加が感染拡大を招いた事態を踏まえ、期限を3月の3連休最終日の21日に設定した。
学校の部活動は、公立高入試を確実に実施するため、11日まで原則自粛を継続。12日以降は全国大会につながる活動などを校内活動に限って認める。
感染対策を独自に認証した飲食店専用の「認証店おうえん食事券」は3月以降も当面、テークアウトとデリバリーを除いて利用自粛とする。解除後、利用できる期間を1カ月設ける。
飲食店の利用は1テーブル4人までと呼び掛ける。村井嘉浩知事は「飲食店から悲鳴にも似た声が届いている。積極的にとは言えないが、会話の際はマスク着用などの対策をすれば会食は可能」と述べた。
会議では、県感染症対策委員長の押谷仁東北大大学院教授の見解が読み上げられた。押谷氏は「オミクロン株は感染状況がピークを越えたとしても、急に感染者数が下がることはなく、重症者と死者は増える。落ち着くには相当の時間がかかる」と指摘した。